事例Ⅰの論点は1次のどこが土台か|19年84問の対応表
この記事の結論
- 事例Ⅰの19年84問は、6種類の論点に分かれます。
- 最多の「事業戦略・ドメイン」の土台は、1次の「競争戦略・技術革新・市場競争」です。
- 6種類すべてに、土台になる1次の分野を割り当てました。
2次の勉強をしていると、「この論点、1次のどこをやり直せばいいのか」で手が止まります。事例Ⅰで19年間に問われた84問を論点ごとに数え、それぞれの土台になる1次の分野を対応づけました。対応づけは人手で、答案を書くときに定義があいまいだと詰まる分野だけを選んでいます。素直な対応先が無い論点は、無理に当てずに空のままにしました。数値は試験実施機関が公表している問題PDFを解析した、当サイトの独自集計です。
事例Ⅰで問われてきた論点
事例Ⅰで最も多い論点は「事業戦略・ドメイン」の29問。上位3論点で84問中65問(77%)を占めます。
事例Ⅰは上位3つを外すと、答案に書く材料そのものが手元に残りません。残る3種類は合わせて19問しかないので、まず上の3つを1次の知識で固めてください。
この位置では、過去に何が問われてきたか
事例Ⅰには設問位置の定番がありません。どの位置も最も多い論点で42%どまりです。
| 設問の位置 | 最も多い論点 | その割合 | 次に多い論点 |
|---|---|---|---|
| 第1問(19年分) | 強み・経営資源 | 7/19(37%・信頼区間19〜59%) | 事業戦略・ドメイン 7問/環境・市場の分析 4問/事業承継・M&A 1問 |
| 第2問(19年分) | 事業戦略・ドメイン | 8/19(42%・信頼区間23〜64%) | 組織構造・管理 5問/事業承継・M&A 3問/人事・人材 2問 |
| 第3問(19年分) | 事業戦略・ドメイン | 7/19(37%・信頼区間19〜59%) | 組織構造・管理 6問/人事・人材 5問/事業承継・M&A 1問 |
| 第4問(18年分) | 人事・人材 | 7/18(39%・信頼区間20〜61%) | 組織構造・管理 6問/事業戦略・ドメイン 4問/事業承継・M&A 1問 |
| 第5問(9年分) | 事業戦略・ドメイン | 3/9(33%・信頼区間12〜65%) | 人事・人材 3問/組織構造・管理 2問/事業承継・M&A 1問 |
設問の位置から論点を予測する練習には向きません。与件文と設問文をその場で読み、何を問われているかを毎回ゼロから見極める練習のほうが、この事例では実戦的です。
論点ごとに、1次のどこが土台になるか
6種類すべてに、答案の土台になる1次の分野を割り当てられました。送り先は企業経営理論です。
| 2次の論点 | 2次の出題数(19年) | 土台になる1次の分野(かっこ内は1次の出題数・20年) |
|---|---|---|
| 事業戦略・ドメイン | 29問 | 経営戦略・環境分析(26問)/競争戦略・技術革新・市場競争(43問) |
| 組織構造・管理 | 19問 | 組織構造・設計理論(37問) |
| 人事・人材 | 17問 | 人的資源管理(採用・評価・育成)(32問)/モチベーション理論・職務設計(26問) |
| 強み・経営資源 | 7問 | 経営資源・競争優位(VRIO・ケイパビリティ)(20問) |
| 事業承継・M&A | 7問 | 多角化・M&A・戦略的提携(27問) |
| 環境・市場の分析 | 5問 | 経営戦略・環境分析(26問)/業界構造分析・参入障壁(14問) |
送り先の分野は企業経営理論の中に収まります。事例Ⅰのために1次へ戻るなら、見る科目は1つだけです。分野を指定して解けば、遠回りになりません。
2次でも1次でもよく出る分野から手をつける
1次に戻るなら「競争戦略・技術革新・市場競争」からです。2次の「事業戦略・ドメイン」29問の土台で、1次でも20年で43問ある分野です。
- 11次の演習で「競争戦略・技術革新・市場競争」を分野指定でまとめて解く。「事業戦略・ドメイン」の答案で使う言葉は、この分野に入っている。
- 2「事業承継・M&A」は2次では19年で7問と多くない。ただし土台の「多角化・M&A・戦略的提携」は1次で20年に27問あり、1次側では手を抜けない。2次の対策のついでに片づけておく。
- 31次の演習で出てきた用語を、2次の答案で使う形に言い直しておく。「◯◯なので◯◯できる」の一文にすると、字数の中に収まる。
この記事で言えないこと
- 論点のラベルは、当サイトが2次の設問文を1件ずつ読んで付けた分類です。公式の分類ではないので、分け方を変えれば事例Ⅰの6種類という数も変わります。
- 1次の分野の割り当ては人手です。答案を書くときに定義があいまいだと詰まる分野だけを土台にしており、関連はあっても答案を止めない分野は外しています。
- 2次試験は正解が公表されません。1次の分野を固めるのは答案の材料をそろえる作業で、点が入る書き方まで示すものではありません。
本記事の2次の数値は、試験実施機関が公表している問題PDFを解析した当サイトの独自集計です。1次の出題数は、当サイトが収録している2007〜2026年度の過去問の集計です。問題そのもの(与件文・設問文)の著作権は一般社団法人 日本中小企業診断士協会連合会に帰属します。全文は試験実施機関の公表資料でご確認ください。
この記事のまとめ
- 事例Ⅰの19年84問は、6種類の論点に分かれます。
- 最多の「事業戦略・ドメイン」の土台は、1次の「競争戦略・技術革新・市場競争」です。
- 6種類すべてに、土台になる1次の分野を割り当てました。
よくある質問
- 事例Ⅰでは、どの論点がいちばん多く問われていますか?
- 19年84問のうち「事業戦略・ドメイン」が29問で最多です。土台になる1次の分野は「経営戦略・環境分析」「競争戦略・技術革新・市場競争」で、1次では20年で26問・43問出ています。
- 事例Ⅰのために1次へ戻るなら、どの分野からですか?
- 土台になる分野は企業経営理論に収まります。最初に解くなら「競争戦略・技術革新・市場競争」です。2次で29問ある「事業戦略・ドメイン」の土台であり、1次でも20年で43問と数が多いためです。
- この対応表は、2次試験の採点基準ですか?
- いいえ。答案の良し悪しを決めるものではなく、1次の演習へ戻るための道しるべです。問題そのもの(与件文・設問文)の著作権は一般社団法人 日本中小企業診断士協会連合会に帰属します。全文は試験実施機関の公表資料でご確認ください。

