令和8年度2次をAI3つが解いた|4事例の総括
この記事の結論
- 事例Ⅰ〜Ⅳの4事例を、別々の会社の3つのAIに解かせました。
- 記述の事例Ⅰ・Ⅱ・Ⅲは、全設問で答案の芯がそろいました。
- 事例Ⅳは9つの小問のうち3つで割れ、2つは転記と足し算の誤りでした。
- 記述の事例の割れは、どれも芯に足した要素の違いにとどまりました。
令和8年度の2次筆記試験の問題文を、別々の会社が作った3つのAIに独立して配り、事例ごとに答案を突き合わせました。この記事は、その4事例ぶんの記録を1枚にまとめたものです。本試験の当日に作った記録で、公式の解答も出題の趣旨もまだありません。だから示せるのは、3つのAIがどこでそろい、どこで割れたかだけです。
4事例とも、別々の会社の3つのAIに同じ問題文を配った
事例ごとに、問題文と共通の指示書だけを3つのAIに配りました。互いの答案は見せていません。
別々の会社が作った3つのAIに、同じ指示書と同じ問題文だけを配りました。3つとも、他の2つが何を書いたかを知らないまま解いています。予備校の答案例も、当サイトの解説も渡していません。事例ごとの答案は、それぞれの記事に原文のまま載せています。
問題文は、試験当日に受験者の問題冊子の写真から当サイトが書き起こしたものです。照らし合わせる相手は3つの答案どうしだけで、事例Ⅳの割れた数値だけは当サイトが再計算して確かめました。
記述の3事例は、すべての設問で芯がそろった
事例Ⅰ・Ⅱ・Ⅲは、見比べた15の設問すべてで答案の芯がそろいました。割れた点は書き添えた要素にとどまります。
| 事例 | 見比べた設問 | 3つがそろった設問 | 割れた点があった設問 |
|---|---|---|---|
| 事例Ⅰ | 第1問(a)(b)と第2〜4問の5つ | 5つ(芯の要素) | 2つ(第2問・第3問) |
| 事例Ⅱ | 第1問(a)(b)と第2〜4問の5つ | 5つ(芯の要素) | 2つ(第2問・第4問) |
| 事例Ⅲ | 第1〜5問の5つ | 5つ(芯の要素) | 2つ(第3問・第5問) |
| 事例Ⅳ | 9つの小問 | 6つ(数値と結論) | 3つ(第1問設問1・第2問設問2・第3問設問3) |
記述の3事例で、3つが別々の結論に着いた設問はありませんでした。割れた点は、芯の要素に何を書き添えるかの違いです。そろった要素は、本番で落とせない要素だと当サイトは見ています(見立て)。
事例Ⅱでは、答案の中でターゲットを決める2つの設問でも、3つが同じ相手を選びました。誰を相手にするかは事例Ⅱでいちばん大きな判断なので、ここがそろったことの意味は小さくありません。
事例Ⅳの割れは、計算の途中より最後の詰めで出た
事例Ⅳで割れた3か所のうち、2か所は解答欄への転記と足し算の誤り、1か所は前提の置き方の違いでした。
転記と足し算の誤りは、どちらも同じ1つのAIの答案で起きました。計算過程には正しい値を書いていたのに、解答欄へ移すときに別の値を書いた形です。当サイトが再計算した値は、残る2つのAIの答えと一致しました。
残る1か所は、期末資産に何を含めるかの解釈の違いで、2つの値に分かれました。設問がそこまで指定していないので、どちらも誤りとは言えません。
型どおりの計算は、3つとも端数までそろいました。差は計算の途中ではなく、終えたあとの見直しと前提の書き方で出ています。事例Ⅳでは、計算を終えたあとに欄の値を見直す時間を残すことが効く回でした(見立て)。
事例Ⅲも、割れたのは芯に足した施策だった
事例Ⅲは5問とも芯の要素がそろいました。割れた2問は、芯の施策のあとに何を足すかの違いでした。
割れた2問では、3つとも同じ芯を書いたうえで、残りの字数に足した施策が3つとも違いました。事例Ⅰ・Ⅱと同じく、3つが別々の結論に着いた設問はありません。
強みを問う設問では、1つのAIだけが設備も強みに入れました。当サイトの見比べメモはこれを割れに数えておらず、上の表の件数もその数え方にそろえています。強みに数えるかどうかの判断が分かれた点として、事例Ⅲの記事で扱っています。
3つがそろった結果を、自分の答案とどう比べるか
そろった要素が自分の答案にあるかを先に見て、割れた点は正誤ではなく選択肢として読みます。
- 1事例ごとの記事で、3つがそろって書いた要素を確かめる。自分の答案に無ければ、そこが本番で読み落とした可能性の高い場所です。
- 2割れた点は、どれか1つが正しいとは読まない。自分が書いた要素が与件文に手がかりのある材料なら、それで構いません。
- 3事例Ⅳは、自分の解答欄の値が計算過程の結論と同じかを確かめる。この回の割れの多くは、そこで起きました。
AIの答案は、受験生の答案の代わりにすぎません。それでも、別々の会社が作った3つが同じ材料を拾った場所は、与件文を素直に読めば着く場所だと言えます。自分の答案の抜けを探す目印として使ってください。
この記事で言えないこと
- 照らし合わせた相手は3つのAIの答案どうしだけです。3つの一致が唯一の照合で、予備校の解答や再現答案、当サイトの解説のような外の基準はありません。
- この記事は本試験の当日に作った記録です。出題の趣旨はまだ公表されておらず、引用もしていません。
- 3つが一致したことは、その答案が高い点を取ることを意味しません。公式解答は公表されず、得点の見立ても出していません。
- AIの答案は、人間の受験生の答案の代わりにすぎません。4事例で見えた傾向が、受験生の答案でも同じとは限りません。
答案の分け方と件数の数え方は当サイトの独自のものです。問題(与件文・設問文)の著作権は一般社団法人 日本中小企業診断士協会連合会に帰属します。
この記事のまとめ
- 事例Ⅰ〜Ⅳの4事例を、別々の会社の3つのAIに解かせました。
- 記述の事例Ⅰ・Ⅱ・Ⅲは、全設問で答案の芯がそろいました。
- 事例Ⅳは9つの小問のうち3つで割れ、2つは転記と足し算の誤りでした。
- 記述の事例の割れは、どれも芯に足した要素の違いにとどまりました。
よくある質問
- 3つのAIがそろった答案は、正解ですか?
- いいえ。2次試験に公式解答は公表されず、出題の趣旨もまだ公表されていません。3つの一致は、同じ材料から素直に読むとそこへ着く、という意味にとどまります。
- 前回までのAI3つの記録と、何が違うのですか?
- 前回までは同じ系列で性能の違う3つのAIに解かせていました。今回は別々の会社が作った3つのAIです。条件が違うので、前回の記録と割れ方を並べて比べることはしていません。

