事例Ⅰの組織・人事の引き出し|与件文から拾う18種と、答案に持ち込む語
この記事の結論
- 引き出しは2種類あります。与件文から拾う語と、答案に持ち込む語です。
- 与件文に出るのは人の話。最多は非正規の活用25年中15年、次が賃金・処遇の12年。
- 事業部制・OJTは与件文に出ませんが、答案では使います。持ち込む側の語です。
- だから覚え方も2つ。拾う語は与件文で探し、持ち込む語は1次の知識から出します。
事例Ⅰの引き出しには2種類あります。**与件文に書かれていて拾う語**と、**与件文には無いが答案に持ち込む語**です。当サイトが持っている25年分の与件文・設問文を数えて、前者を出た年数つきで並べ、後者との違いを整理しました。
1枚のまとめ(保存して使う)
出た年数の多い順に並べた1枚です。演習中に横に置いて、与件文から拾う手がかりに使います。

引き出しは2種類ある(ここが本題)
与件文から拾う語と、答案に持ち込む語は別物です。同じ引き出しに混ぜると探し方を間違えます。
| 1次で習う語 | 与件文に出た年数 | どう扱うか |
|---|---|---|
| 事業部制 | 0年 / 25年 | 与件文には出ないが答案では使う語。組織の形を変える提案として持ち込む |
| OJT・教育訓練 | 0年 / 25年 | 同じく持ち込む語。与件文側は「技能承継・熟練」(5年)の形で書かれる |
| 分社化・持株会社 | 0年 / 25年 | 同じく持ち込む語。与件文側は「同族経営」(4年)「後継者」(6年)として現れる |
| 機能別組織 | 5年 / 25年 | 与件文に出る組織形態。ここは拾う語として探せる |
**与件文に出ない語を覚えなくてよい、という意味ではありません。** 1次の理論語を答案に持ち込むのは正しい書き方です。分けておきたいのは探し方で、与件文を読むときに探すのは左側(非正規・賃金・承継といった人の話)、答案を書くときに引き出すのは右側(事業部制・OJTのような理論語)です。
与件文に出る言い方と、答案で使う言い方がずれているのは事例Ⅰの特徴です。与件文は「ベテランの経験と勘に頼っている」と書き、答案は「標準化とOJTで技能を移す」と書きます。**この変換を用意しておくのが準備です。**
25年で実際に出た18種
| 組織・人事の論点 | 出た年数 | 直近 | 答案での使いどころ(見立て) |
|---|---|---|---|
| 非正規の活用 | 15年 / 25年 | 2023年度 | 人手をどう賄うか。前提として置かれていることが多い |
| 賃金・処遇制度 | 12年 / 25年 | 2024年度 | 処遇で不満が出ている合図。制度の見直しが打ち手になる |
| 内部登用・抜擢 | 7年 / 25年 | 2024年度 | 誰に任せるか。若手・非一族の登用は組織の転換点 |
| 後継者・事業承継 | 6年 / 25年 | 2023年度 | 次の代へ渡す準備。育成と権限の移し方を問われる |
| 技能承継・熟練 | 5年 / 25年 | 2025年度 | 人に付いた技をどう移すか。標準化と教育が対になる |
| 年功序列 | 5年 / 25年 | 2024年度 | 古い制度が残っている合図。若手の停滞と結びつく |
| 中途採用・専門人材 | 5年 / 25年 | 2024年度 | 外から力を借りる。既存社員との摩擦が論点になる |
| 定着・離職 | 5年 / 25年 | 2023年度 | 辞めてしまう理由をどう消すか。処遇と育成に返る |
| 機能別組織 | 5年 / 25年 | 2019年度 | この事例で実際に出る組織形態。部門間の連携が課題になりやすい |
| 同族経営 | 4年 / 25年 | 2024年度 | 身内と非一族のバランス。任せ方の判断につながる |
| 新卒採用 | 4年 / 25年 | 2022年度 | 長く育てる前提の採用。教育の仕組みと対で書く |
| モラール・動機づけ | 4年 / 25年 | 2009年度 | やる気が落ちている合図。評価・目標の設計に返す |
| 目標管理・成果主義 | 3年 / 25年 | 2015年度 | 評価で動かす打ち手。中小では運用の負担も論点 |
| 経営理念の共有 | 2年 / 25年 | 2025年度 | 向きをそろえる。全社で同じ方向を見せる打ち手 |
| 多能工化・配置転換 | 2年 / 25年 | 2024年度 | 人を動かして繁閑を埋める。育成と兼ねられる |
| プロジェクトチーム | 2年 / 25年 | 2024年度 | 既存組織の外に置いて新しいことをやらせる形 |
| 権限委譲 | 1年 / 25年 | 2022年度 | 任せて速くする。任せる相手の育成が前提になる |
| 人事考課・評価制度 | 1年 / 25年 | 2005年度 | 何を評価するかで行動が変わる。制度の設計を問う |
上位2つ(非正規の活用・賃金と処遇)は、答案の主役というより**与件文に必ず置かれている前提**です。従業員の構成と処遇の話が出てきたら、そこが弱みか強みかを先に決めておくと、後の設問で使えます。
数えた方法(先に断っておくこと)
数えたのは「その言い方が与件文・設問文に出た年数」で、正解に何が書かれたかではありません(2次試験の公式解答は公表されていません)。1年に何回出ても1年と数えます。
- 固有の言い方だけを数えました。一般語は他の意味で使われるので入れていません。
- たとえば「パート」は「パートナー」に当たるので、「パートタイマー」などに限りました。
- 「女性」「高齢者」は与件文の描写にも出るため、打ち手として数えていません。
この記事で言えないこと
出た年数は与件文・設問文を数えたものです。**加点されたかどうかは分かりません**。使いどころの列は当サイトの見立てで、これで加点されるという意味ではありません。語の選び方を変えれば数も変わります。
「一度も出ていない」は、当サイトが数えた語での結果です。別の言い方(たとえば事業部を指す別の表現)で出題されている可能性は残ります。答案で使わないほうがよい、という意味ではなく、**優先して覚える必要がない**という意味です。
この記事のまとめ
- 引き出しは2種類あります。与件文から拾う語と、答案に持ち込む語です。
- 与件文に出るのは人の話。最多は非正規の活用25年中15年、次が賃金・処遇の12年。
- 事業部制・OJTは与件文に出ませんが、答案では使います。持ち込む側の語です。
- だから覚え方も2つ。拾う語は与件文で探し、持ち込む語は1次の知識から出します。
よくある質問
- 事業部制やOJTは覚えなくてよいのですか。
- いいえ、答案では使う語です。当サイトが数えた範囲では**与件文・設問文に出ていない**(25年間で0年)だけで、答案に書かないという意味ではありません。与件文を読むときに探す語と、答案を書くときに引き出す語は別だ、という整理です。
- 与件文に出た年数は何の役に立つのですか。
- 与件文を読むときの手がかりになります。出た年数が多い語(非正規の活用15年・賃金と処遇12年)は多くの年で前提として書かれているので、そこが強みか弱みかを先に決めておくと後の設問で使えます。
- 上位に出た「非正規の活用」「賃金・処遇」はどう使うのですか。
- 多くの年で与件文に置かれている前提なので、答案の主役になるとは限りません。従業員の構成と処遇が書かれていたら、それが強みか弱みかを先に決めておくと、後の設問(組織の課題や施策)で使えます。

