論点の出題年表|事例Ⅰ〜Ⅲの19年241問を論点別に一覧にした
この記事の結論
- 事例Ⅰ〜Ⅲの19年241問を、24種類の論点ごとの年表にしました。
- 3年以上出ていない論点は9種類。うち6種類は、19年で5年以下しか出ていません。
- 3年以上空いた論点が翌年に出た割合は19.2%(28/146)。論点ごとの出やすさをそろえた比較の基準は25.6%。
- 長く出ていないから次は出る、とは実測で言えません。
直前になると、「この論点は最近出ていないから、次は出るのでは」と考えたくなります。この記事は、事例Ⅰ〜Ⅲの設問を論点ごとに分類し、2007〜2025年度のどの年に出たかを一覧にしたものです。あわせて、長く出ていない論点が翌年に出た割合を、事例Ⅰ〜Ⅳの32論点で数えました。数値は試験実施機関が公表している問題PDFを解析した当サイトの独自集計で、論点の分類も当サイトが付けた公式でないものです。
事例Ⅰ(組織・人事):6論点の19年
事例Ⅰで最も多くの年に出ているのは「事業戦略・ドメイン」で、19年中18年です。3年以上出ていない論点は2種類あります。
- 環境・市場の分析5/19年・最後 平成27年度・実績が少ない出た年度: 平成19年度、平成20年度、平成24年度、平成26年度、平成27年度
- 人事・人材12/19年・最後 令和4年度出た年度: 平成19年度、平成21年度、平成22年度、平成24年度、平成25年度、平成26年度、平成27年度、平成28年度、平成30年度、令和元年度、令和2年度、令和4年度。2問以上の年: 平成21年度は2問、平成24年度は2問、平成25年度は2問、平成27年度は2問、令和2年度は2問
- 事業承継・M&A5/19年・最後 令和5年度・実績が少ない出た年度: 平成21年度、平成22年度、令和2年度、令和3年度、令和5年度。2問以上の年: 令和3年度は2問、令和5年度は2問
- 事業戦略・ドメイン18/19年・最後 令和7年度出た年度: 平成19年度、平成20年度、平成21年度、平成22年度、平成23年度、平成24年度、平成25年度、平成26年度、平成27年度、平成28年度、平成29年度、平成30年度、令和元年度、令和3年度、令和4年度、令和5年度、令和6年度、令和7年度。2問以上の年: 平成19年度は3問、平成23年度は2問、平成28年度は2問、平成29年度は3問、平成30年度は2問、令和元年度は2問、令和3年度は3問、令和6年度は2問
- 組織構造・管理13/19年・最後 令和7年度出た年度: 平成20年度、平成23年度、平成24年度、平成25年度、平成26年度、平成27年度、平成29年度、平成30年度、令和元年度、令和2年度、令和4年度、令和6年度、令和7年度。2問以上の年: 平成20年度は2問、平成23年度は2問、平成26年度は2問、平成29年度は2問、令和元年度は2問、令和7年度は2問
- 強み・経営資源7/19年・最後 令和7年度出た年度: 平成20年度、平成21年度、平成22年度、令和4年度、令和5年度、令和6年度、令和7年度
「事業戦略・ドメイン」は19年中18年に出ています。当サイトの見立てでは、事例Ⅰで先に答案の型を作る相手はこの論点です。
3年以上出ていないのは「環境・市場の分析」「人事・人材」です。出た年数が5年以下の1種類は、空白の長さが偶然と区別できません。「人事・人材」は12年に出ており、実績が少ないとは言えません。当サイトの見立てでは、空白の長さを理由に備えの順番を上げず、出た年数の多い行から固めます。
事例Ⅱ(マーケティング・流通):10論点の19年
事例Ⅱで最も多くの年に出ているのは「プロモーション」で、19年中14年です。3年以上出ていない論点は4種類あります。
- 競争戦略・差別化5/19年・最後 平成23年度・実績が少ない出た年度: 平成19年度、平成20年度、平成21年度、平成22年度、平成23年度
- 従業員・インターナル3/19年・最後 平成23年度・実績が少ない出た年度: 平成19年度、平成22年度、平成23年度
- 協業・地域連携5/19年・最後 令和元年度・実績が少ない出た年度: 平成20年度、平成24年度、平成27年度、平成30年度、令和元年度
- ターゲット・セグメント8/19年・最後 令和4年度出た年度: 平成21年度、平成22年度、平成23年度、平成24年度、平成27年度、平成29年度、令和2年度、令和4年度
- チャネル・立地・EC7/19年・最後 令和6年度出た年度: 平成19年度、平成25年度、平成28年度、令和2年度、令和3年度、令和4年度、令和6年度。2問以上の年: 平成28年度は2問
- 製品・サービス開発7/19年・最後 令和6年度出た年度: 平成21年度、平成25年度、平成26年度、平成28年度、令和3年度、令和4年度、令和6年度。2問以上の年: 平成28年度は2問
- プロモーション14/19年・最後 令和7年度出た年度: 平成20年度、平成21年度、平成22年度、平成23年度、平成24年度、平成25年度、平成26年度、平成27年度、平成29年度、平成30年度、令和元年度、令和5年度、令和6年度、令和7年度。2問以上の年: 平成24年度は2問
- 現状分析(SWOT・3C)13/19年・最後 令和7年度出た年度: 平成19年度、平成20年度、平成25年度、平成26年度、平成29年度、平成30年度、令和元年度、令和2年度、令和3年度、令和4年度、令和5年度、令和6年度、令和7年度。2問以上の年: 平成20年度は2問
- 関係性強化・愛顧9/19年・最後 令和7年度出た年度: 平成22年度、平成23年度、平成26年度、平成29年度、平成30年度、令和2年度、令和3年度、令和5年度、令和7年度
- 価格・販売方法2/19年・最後 令和7年度・実績が少ない出た年度: 令和5年度、令和7年度
事例Ⅱには、19年中16年以上に出た論点がありません。最多の「プロモーション」でも14年です。当サイトの見立てでは、特定の論点に絞らず、出た年の多い行から広く備える事例です。
3年以上出ていないのは「競争戦略・差別化」「従業員・インターナル」「協業・地域連携」「ターゲット・セグメント」です。出た年数が5年以下の3種類は、空白の長さが偶然と区別できません。「ターゲット・セグメント」は8年に出ており、実績が少ないとは言えません。当サイトの見立てでは、空白の長さを理由に備えの順番を上げず、出た年数の多い行から固めます。
事例Ⅲ(生産・技術):8論点の19年
事例Ⅲで最も多くの年に出ているのは「新事業・受注拡大」で、19年中19年です。3年以上出ていない論点は3種類あります。
- 品質2/19年・最後 平成28年度・実績が少ない出た年度: 平成26年度、平成28年度
- IT・情報共有7/19年・最後 令和4年度出た年度: 平成19年度、平成22年度、平成23年度、平成25年度、平成30年度、令和2年度、令和4年度
- 在庫・調達3/19年・最後 令和4年度・実績が少ない出た年度: 平成21年度、平成26年度、令和4年度
- 標準化・技能育成3/19年・最後 令和5年度・実績が少ない出た年度: 平成20年度、平成30年度、令和5年度
- 新事業・受注拡大19/19年・最後 令和7年度出た年度: 全19年度。2問以上の年: 平成19年度は2問、平成22年度は2問、平成24年度は2問、平成25年度は2問、平成29年度は2問、令和元年度は2問、令和3年度は2問、令和5年度は2問、令和6年度は2問
- 強み・弱みの分析17/19年・最後 令和7年度出た年度: 平成19年度、平成20年度、平成21年度、平成22年度、平成23年度、平成24年度、平成26年度、平成27年度、平成28年度、平成30年度、令和元年度、令和2年度、令和3年度、令和4年度、令和5年度、令和6年度、令和7年度
- 生産計画・工程管理13/19年・最後 令和7年度出た年度: 平成19年度、平成21年度、平成23年度、平成24年度、平成27年度、平成28年度、平成29年度、平成30年度、令和元年度、令和3年度、令和5年度、令和6年度、令和7年度。2問以上の年: 平成29年度は2問、令和6年度は2問
- 納期・リードタイム5/19年・最後 令和7年度・実績が少ない出た年度: 平成20年度、平成27年度、令和2年度、令和4年度、令和7年度
「新事業・受注拡大」「強み・弱みの分析」は19年中17年以上に出ています。当サイトの見立てでは、事例Ⅲで先に答案の型を作る相手はこれらの論点です。
3年以上出ていないのは「品質」「IT・情報共有」「在庫・調達」です。出た年数が5年以下の2種類は、空白の長さが偶然と区別できません。「IT・情報共有」は7年に出ており、実績が少ないとは言えません。当サイトの見立てでは、空白の長さを理由に備えの順番を上げず、出た年数の多い行から固めます。
事例Ⅳは別の記事で見る
事例Ⅳの年表は、この記事には載せません。論点ごとの出た年数と見込みは「事例Ⅳの出題の傾向と対策」にあります。
事例Ⅳは8種類の論点で74問です。論点ごとの出た年数、直近5年の出題、新しい年ほど重くみた見込みは、「事例Ⅳの出題の傾向と対策」の表で見られます。同じ表を二重に載せないため、この記事の年表は事例Ⅰ〜Ⅲだけです。
ただし、次の節の戻り率の集計には事例Ⅳの論点も入れています。件数が増えるほど、割合の幅が狭くなるためです。
長く出ていない論点は、翌年に出ているか
3年以上空いた論点が翌年に出た割合は19.2%(28/146)で、論点ごとの出やすさをそろえた並べ替えの平均25.6%を下回りました。前年に出ていた論点の61.1%との差には、論点ごとの出やすさの差も含まれます。
実測として、論点ごとの出た年数は変えず、出た年の並びだけをランダムに入れ替える試行を5,000回行うと、3年以上空いたあとに出る割合の平均は25.6%でした。実測の19.2%はそれより低く、両側p≈0.012です。高い側にも低い側にもずれうるものとして両側で検定し、片側の小さいほうを2倍して、(件数+1)/(試行数+1)で補正しました。乱数の種は固定です。
実測では、3年以上空いた146組のうち、その年に出たのは28組(19.2%)です。95%区間(Wilson)は13.6〜26.3%です。この区間は146組を独立な試行とみなした幅で、p値は並べ替えの分布から出した別の計算です。
前年に出ていた論点の61.1%との差には、論点ごとの出やすさの差も含まれるため、出やすさをそろえた比較は上の並べ替えのほうです。1〜2年空いた論点は72/173(41.6%)で、空白が長いほど出る割合は下がっています。
当サイトの見立てでは、「長く出ていないから、次は出る」という読み方は実測と合いません。ただし19.2%は0ではなく、3年以上空いたあとに出た例が28組あります。「出ない」とも言い切れません。
この記事で言えないこと
- 対象は2007〜2025年度の19年です。2006年度以前は論点を付けていないため、「19年間出ていない」は「一度も出ていない」ではありません。窓の最初から出ていない論点は、最初の空白も空いていた年として数えています。
- 論点の分類は、当サイトが設問文を1件ずつ読んで付けた公式でないものです(32種類)。1設問に1つの論点しか付けず、複数にまたがる設問は1つにしか数えていません。分け方を変えれば、年表も戻り率も変わります。
- 出た年数が5年以下の論点は、空白の長さが偶然の揺れと区別できません。
- 論点ごとに出やすさが違います。よく出る論点は「前年に出ていた」側に入りやすく、この差が割合に混ざります。並べ替えの比較で一部は除けますが、完全には除けません。
- 同じ論点の年どうしは独立ではありません。146組は見かけの件数で、独立な観測が146あるわけではないため、区間は実際より狭く見えている可能性があります。
- 時代とともに出なくなる論点や、出始める論点があります。その入れ替わりと偶然の揺れは、この集計では見分けられません。
- 3年以上空いた論点が出にくいのは実測ですが、空白が出にくさの原因だとまでは言えません。
本記事の数値は、試験実施機関が公表している問題PDFを解析した当サイトの独自集計です。対象は事例Ⅰ〜Ⅳの2007〜2025年度315問(設問数)で、うち年表に載せたのは事例Ⅰ〜Ⅲの241問です。問題そのもの(与件文・設問文)の著作権は一般社団法人 日本中小企業診断士協会連合会に帰属します。全文は試験実施機関の公表資料でご確認ください。
年表の使い方
年表は、主力の論点を見分けて備えるための地図です。出る年を当てるための道具ではありません。
- 1ほぼ毎年(19年中16年以上)出ている行が、主力の論点です。先に答案の型を作る相手はそこです。該当する行が無い事例では、出た年の多い行から広く備えます。
- 2長く空いた行を、出る前提では扱いません。空白の長さを理由に順番を上げず、出た年数の多い行から固めます。
- 3出た年数が5年以下の行は、空白の長さを気にしません。実績が少なく、偶然との区別がつかないためです。出たときに白紙にならないよう、1次の土台だけ確認しておきます。
本番では、設問文確認の段階で解答要素に□を付けながら、主力の論点のどれを問われているかを見分けると、与件文で探すものが決まります。運営者の解答ルール(80分の手順と時間配分)は答案の書院で紹介しています。
この記事のまとめ
- 事例Ⅰ〜Ⅲの19年241問を、24種類の論点ごとの年表にしました。
- 3年以上出ていない論点は9種類。うち6種類は、19年で5年以下しか出ていません。
- 3年以上空いた論点が翌年に出た割合は19.2%(28/146)。論点ごとの出やすさをそろえた比較の基準は25.6%。
- 長く出ていないから次は出る、とは実測で言えません。
よくある質問
- 長く出ていない論点は、次の年度に出やすいですか?
- 出やすいとは言えません。論点ごとの出やすさをそろえた並べ替え(5,000回)の平均25.6%に対し、事例Ⅰ〜Ⅳの32論点で3年以上空いた論点が翌年に出た割合は28/146(19.2%)でした。前年に出ていた論点の157/257(61.1%)との差には、論点ごとの出やすさの差も含まれます。ただし論点ごとの出やすさの差などの限界があり、出ないと言い切る根拠にもなりません。
- 毎年のように出る論点は、どの事例にありますか?
- 19年中16年以上に出た論点を、主力の論点としています。事例Ⅰは「事業戦略・ドメイン」(19年中18年)です。事例Ⅱは16年以上に出た論点がなく、最多は「プロモーション」の14年です。事例Ⅲは「新事業・受注拡大」(19年中19年)と「強み・弱みの分析」(19年中17年)です。
- この年表の論点の分類は、試験実施機関が決めたものですか?
- いいえ。当サイトが設問文を1件ずつ読んで付けた、公式でない分類です。分け方を変えれば年表も変わります。問題そのもの(与件文・設問文)の著作権は一般社団法人 日本中小企業診断士協会連合会に帰属します。全文は試験実施機関の公表資料でご確認ください。

