事例Ⅱ第1問は9年連続で「現状分析」——SWOTと3Cは入れ替わるが、聞かれていることは同じ
この記事の結論
- 事例Ⅱ第1問の論点は、19年のうち13年(68%)が現状分析でした。2017年度以降は9年連続です。
- 直近8年は、出題の趣旨が8年とも「分析する能力を問う問題である」で終わっています。
- 形式はSWOT(40字×4欄)と3C(150字1本)が4年ずつ。どちらが来るかは読めません。
- 配点は15〜30点。形式が変わっても、集める材料は同じで足ります。
事例Ⅱの第1問は、ある年はSWOT分析、ある年は3C分析で聞かれます。形式が変わるので「今年はどちらだろう」と身構えたくなりますが、当サイトが2007〜2025年度の全設問に付けた論点ラベルで見ると、第1問は19年のうち13年が現状分析で、2017年度以降は9年続けてここに置かれています。さらに直近8年の出題の趣旨を逐語で並べると、SWOTの年も3Cの年も同じ言葉で終わっていました。この記事は、形式の違いの下にある「同じ問い」を取り出したものです。
19年分の第1問を並べる
事例Ⅱ第1問は19年のうち13年(68%)が現状分析。2017年度からは9年連続です。
内訳を年の並びで見ると、2009〜2011年度は競争戦略、2012・2015年度はターゲット、2016年度は製品開発が第1問に来ていました。ばらついていたのは2016年度までで、2017年度から2025年度までの9年は、すべて現状分析です。
「9年連続だから来年もそうなる」とまでは言えません。8年を超える年数があり、割合が半分を大きく超えているので「定番」と呼べる、というところまでです。事例Ⅰには、このような定位置と呼べる論点がありません。
出題の趣旨は、SWOTの年も3Cの年も同じ言葉で終わる
2018〜2025年度の8年とも、趣旨は「分析する能力を問う問題である」。形式の違いは趣旨に現れません。
論点ラベルは当サイトが付けたものなので、それだけを根拠にするのは心もとないところがあります。そこで、協会が試験後に公表している「出題の趣旨」を、第1問について逐語で並べました。文章として手元にある2018〜2025年度の8年分です。
| 年度 | 出題の趣旨(逐語) | 形式 / 配点 |
|---|---|---|
| 2018年度 | 「B社の顧客の状況、自社の強み・弱みと競合の状況について分析する能力を問う」 | 3C・150字 / 25点 |
| 2019年度 | 「B社内外の経営環境を分析する能力を問う」 | SWOT・40字×4欄 / 20点 |
| 2020年度 | 「B社内外の経営環境を分析する能力を問う」 | SWOT・40字×4欄 / 20点 |
| 2021年度 | 「内外の経営環境を分析する能力を問う」 | SWOT・30字×4欄 / 20点 |
| 2022年度 | 「内外の経営環境を分析する能力を問う」 | 3C・150字 / 30点 |
| 2023年度 | 「B社内外の経営環境を分析する能力を問う」 | 3C・150字 / 30点 |
| 2024年度 | 「B社内外の経営環境を分析する能力を問う」 | SWOT・40字×4欄 / 20点 |
| 2025年度 | 「現在のB社内外の経営環境を、顧客・競合・自社の3つの視点から分析する能力を問う」 | 3C・150字 / 15点 |
8年とも「分析する能力を問う」で終わっています。2018年度だけは「顧客の状況・自社の強み弱み・競合の状況」と中身を分解した書き方ですが、これは3Cの3つをそのまま言い換えたもので、指しているものは変わりません。2025年度も「顧客・競合・自社の3つの視点」と明示しています。
つまり、SWOTで聞かれた年も3Cで聞かれた年も、協会が測ろうとしているのは同じ「内外の経営環境を分析する力」です。形式は入れ物のほうで、中身の問いは動いていません。
SWOTと3Cは4年ずつ。どちらが来るかは読めない
直近8年でSWOT4回・3C4回。連続もあれば交互もあり、順番に規則はありません。
| 年度 | 形式 | 書く量 | 配点 |
|---|---|---|---|
| 2018年度 | 3C | 150字(1本) | 25点 |
| 2019年度 | SWOT | 40字 × 4欄 | 20点 |
| 2020年度 | SWOT | 40字 × 4欄 | 20点 |
| 2021年度 | SWOT | 30字 × 4欄 | 20点 |
| 2022年度 | 3C | 150字(1本) | 30点 |
| 2023年度 | 3C | 150字(1本) | 30点 |
| 2024年度 | SWOT | 40字 × 4欄 | 20点 |
| 2025年度 | 3C | 150字(1本) | 15点 |
SWOTの年は40字×4欄が3回、30字×4欄が1回。3Cの年は4回とも150字ちょうどです。配点は20〜30点が基本ですが、2025年度は15点まで下がりました。第1問に置く重みも固定ではありません。
配点が下がった年(2025年度の15点)もあるので、「第1問は必ず重い」とは考えないほうが安全です。ただし15〜30点はいずれにせよ落とせない幅です。
集める材料は1組でいい
SWOTの4欄と3Cの3項目は、同じ材料の分け方が違うだけです。与件文から拾うものは変わりません。
SWOTは「強み・弱み・機会・脅威」、3Cは「顧客・競合・自社」に分かれます。並べ方が違うだけで、拾う材料は重なっています。自社の中にあるものが強みと弱み、外にあるもののうち追い風が機会、向かい風が脅威、そして外の内訳が顧客と競合です。どちらの形式で来ても、与件文から拾う作業は1回で済みます。
| 与件文から拾うもの | SWOTでは | 3Cでは |
|---|---|---|
| 自社の中にある、続いてきた良いところ | 強み(S) | 自社(Company) |
| 自社の中にある、足りていないところ | 弱み(W) | 自社(Company) |
| 顧客の変化・増えている需要 | 機会(O) | 顧客(Customer) |
| 同業・近隣店・大手の動き | 脅威(T) | 競合(Competitor) |
- 1与件文を読みながら、B社の中の話と外の話に印を分けて付ける。
- 2中の話を「続いてきた良いところ」と「足りていないところ」に分ける(=S と W、3Cでは自社)。
- 3外の話を「追い風」と「向かい風」に分ける(=O と T、3Cでは顧客と競合が中心)。
- 4設問の形式を見て、4欄に配るか150字に並べるかを決める。
- 5第2問以降で使う予定のある材料を優先して残す(使わない強みを書いても、後の設問につながりません)。
この記事が示せるのは「何が問われてきたか」までです。どう書けば点が入るかは、答案と得点の対応を別途調べる必要があり、当サイトでも検証の途中です。ここに書いた手順は、出題の趣旨と設問文の言葉から素直に導ける範囲にとどめています。
事例Ⅲの第1問との違い
事例Ⅲの第1問は「強みと弱み」(19年中17年)で形式も固定。事例Ⅱは論点は同じでも形式が動きます。
事例Ⅲの第1問は19年のうち17年が強み・弱みで、聞かれ方もほぼ固定されています。事例Ⅱの第1問は論点こそ13年が現状分析ですが、SWOTか3Cかで書く量も欄の数も変わります。事例Ⅲの型をそのまま持ち込むと、3Cの年に「機会と脅威」を書いてしまい、聞かれていない要素で字数を使うことになります。
この記事のまとめ
- 事例Ⅱ第1問の論点は、19年のうち13年(68%)が現状分析でした。2017年度以降は9年連続です。
- 直近8年は、出題の趣旨が8年とも「分析する能力を問う問題である」で終わっています。
- 形式はSWOT(40字×4欄)と3C(150字1本)が4年ずつ。どちらが来るかは読めません。
- 配点は15〜30点。形式が変わっても、集める材料は同じで足ります。
よくある質問
- 事例Ⅱの第1問は必ず現状分析ですか?
- 必ずではありません。19年のうち13年(68%)です。2009〜2011年度は競争戦略、2012・2015年度はターゲット、2016年度は製品開発が第1問でした。ただし2017年度以降の9年はすべて現状分析です。
- SWOTと3C、どちらの練習をすればよいですか?
- 両方です。直近8年でSWOT4回・3C4回で、順番に規則はありません。ただし与件文から拾う材料は共通なので、拾う練習は1回で足ります。
- この記事の年数はどこから来ていますか?
- 論点の集計は2007〜2025年度の19年分、出題の趣旨の逐語引用は文章として手元にある2018〜2025年度の8年分です。範囲が違うので、記事中でも分けて書いています。

