データ分析
「まとめて解くと集中力が落ちる」は本当か——3万件の実測で疲労カーブは平坦だった
「疲れるから演習は小分けにしたほうがいい」——直感的にはそう思えます。では実際のところ、連続で解き続けると何問目から正答率は落ちるのでしょうか。当サイト利用者の解答記録約3万件(匿名集計)で実測してみると、結果は良い意味で拍子抜けでした。
結果:1問目でも51問目以降でも、正答率は変わらない
連続演習の「何問目か」別に正答率を並べたのが下のグラフです。どこにも「崖」がありません。50問を超えても正答率は落ちず、「わからない」を選ぶ割合もずっと2〜4%台のまま。集中が切れて投げやりになる兆候は見えませんでした。
1〜5問目
64.0%
6〜10問目
65.8%
11〜15問目
66.9%
16〜20問目
67.6%
21〜30問目
66.2%
31〜50問目
67.7%
51問目以降
66.5%
「長く解き続けられる人は、そもそも得意な人なのでは?」という偏りも考えて、31問以上続いた回だけに絞った比べ方もしました。それでも序盤67.2%・終盤66.8%で、差と呼べる差はありません。少なくともWeb演習では、疲労で正答率が落ちる証拠は見つかりませんでした。
意外な発見:むしろ「最初の5問」がいちばん低い
面白いのはむしろ逆で、最初の5問だけが少し低めです。「わからない」と答える割合も最初の5問が最多。エンジンがかかる前のウォームアップ期間か、「演習の最初は昨日間違えた問題の解き直しから入る」人が多い影響と考えられます。
本番の1科目は60〜90分。試験開始直後の数問を「ウォームアップ」と自覚しておくと、序盤に手応えがなくても焦らずに済みます。解ける問題から手を付けて後で戻る、という定石とも合っています。
実用的な結論:まとまった演習を躊躇しなくていい
- 1「疲れるから小分けに」と演習量を絞る必要はない。データ上、50問連続でも正答率は落ちていない。
- 2演習の最初の数問は肩慣らしと割り切る。序盤の手応えのなさは実力低下ではない。
- 3ただしこれはWeb演習での話。本番の時間制約と緊張下の消耗は別物なので、模試や年度別演習で「90分を通す」練習は別途しておく。
統計手法まとめ
- 当サイト利用者の解答記録 約3万件(匿名集計・模試モード除外)を、連続演習のまとまりごとに区切って集計しています。
- 割合のブレ幅(信頼区間)と差の検定を確認した上で、「差がない」と言い切れるものだけを断定して書いています。
- 疲れたら自分で休憩する、という自然な行動が織り込まれたデータです。「休憩なしで何時間でも大丈夫」という主張ではありません。
- 集計の詳細な手順は非公開としています。
