間違えた問題は24時間以内に解き直せ——3万件の解答記録で実測した「忘却曲線」
「エビングハウスの忘却曲線」は有名ですが、あれは無意味な音節の暗記実験です。診断士試験の過去問演習では、実際どのくらいのスピードで忘れるのでしょうか。当サイト利用者の解答記録約3万件(匿名集計)から、同じ問題を解き直したときの正答率を「復習までの間隔」別に実測しました。結論はシンプルで、復習のタイミングは点数に直結します。
発見①:間違えた問題は「24時間以内」が勝負
1回目に間違えた問題を解き直したとき、2回目に正解できた割合を間隔別に見ると、結果は劇的でした。24時間以内の解き直しなら74.9%が正解。ところが1日を過ぎると51.5%に急落します。
24時間以内が突出して高いのは、解説を読んだ記憶が新しいうちに手を動かすことで、理解が定着するためと考えられます。逆に言えば、間違えて解説を読んだだけの状態は「わかったつもり」で、翌日以降にはその半分が消えています。間違えた日のうちにもう1回——これが実データが示す最も効率の良い復習です。
1ヶ月放置した誤答の正答率36.2%は、初見の問題の正答率(52%前後)より低い水準です。「昔間違えてそのままの問題」は、実質ゼロからのやり直しになっていると考えてください。
発見②:正解した問題も、2週間を過ぎると忘却が加速する
「一度正解した問題はもう大丈夫」と思いたくなりますが、データは違いました。正解した問題の記憶も少しずつ削れていき、最大の崖は「2週間後から1ヶ月後」の間にあります。
つまり、正解した問題も約1ヶ月で7問に2問は解けなくなる計算です。得意分野を「維持」するには、2週間に1回程度は軽く触れ直すのが目安になります。直前期に総仕上げの年度別演習が効くのは、この「全体の触れ直し」を強制的に行う仕組みだから、とも読めます。
実データに基づく復習ルール3か条
- 1間違えた問題は、その日のうちに1回解き直す(24時間以内なら74.9%定着。翌日以降は約50%に半減)。
- 2正解した問題も、2週間以内に1回は触れ直す(放置すると1ヶ月で保持率71%まで低下)。
- 31ヶ月以上放置した誤答は「初見の問題」として仕切り直す(正答率36.2%=ほぼゼロから。落ち込む必要はなく、それが普通)。
当サイトのリベンジモードは「24時間以内に間違えた問題」と「しばらく解いていない正解済みの問題」を自動で集めて出題します。今回の実測値をもとに、この抽出ロジック自体も今後さらに賢くしていく予定です。
検証方法と注意
- 対象:当サイト利用者の解答記録 約3万件(匿名集計・「わからない」を選んだ解答は母数から除外)。
- 方法:同一ユーザーが同一問題を2回以上解いたペアを抽出し、1回目→2回目の間隔(日数)別に2回目の正答率を集計。件数30未満の区分は採用していません。
- 注意:復習のタイミングは利用者の自発的な行動であり、無作為な実験ではありません。絶対値そのものより「どこで下がるか」という相対的な傾向としてお読みください。
この記事のさらに深掘り(科目別の忘れやすさ・復習回数ごとの定着率など)は、今後メンバーシップ公開にあわせて会員特典コンテンツとして追加する予定です。
