1年で何点落とすか——解答1万件と19年分の出題実績で選ぶ、直前5日の優先分野
残り5日で全分野は回れません。ならば「取れていない分野」ではなく「取れていない × よく出る分野」から手をつけるべきです。この記事では、当サイトに蓄積された初回解答10,543件と、19年分の出題実績から、各分野が1年あたり何点を落としているかを推定しました。番号付きの順位は出しません。データの解像度で言えるのは「どのグループに入るか」までだからです。
「取れていない順」では、直前期の優先順位にならない
直前期に効くのは「取れていない度合い」×「出る量」です。片方だけで並べると、上位10のうち4つが入れ替わります。
弱点分野を正答率の低い順に並べるのは自然な発想です。ただ、残り時間が5日しかないときは、それだけでは足りません。正答率が30%でも3年に1回しか出ない分野より、正答率が58%でも毎年3問出る分野のほうが、実際に失う点数は大きくなるからです。
そこで今回は、分野ごとに次の3つの値を推定しました。
- 年あたり期待出題数:近年を重く見た加重平均(半減期8年・2007〜2025年度の19年分)。
- 期待失点(問/年):年あたり期待出題数 ×(1 − 実測正答率)。
- 期待失点(点/年):100点 × 期待失点(問/年)÷ その科目の年間出題数。
最後の行の意味は「その分野を今の実力のまま本番で迎えると、平均して1年あたり何点落とすか」です。1次試験は7科目とも100点満点・合計700点なので、この点数は科目をまたいでそのまま比べられます(合格は総点420点以上かつ各科目40点以上)。
この記事の数字の作り方
当サイトは間違えた問題を自動で再出題するため、2回目以降を混ぜると数字が甘くなります。そこで同じ人が同じ問題を解いた場合は1回目だけを採用し、模試モードと「わからない」ボタンでの回答は母数から外しました。分野タグは4,296問すべてに付いています。収録しているのは19年分+2023年再試験ですが、出題傾向の推定を素直にするため、この分析では再試験を除いた本試験だけを対象にしています。
分野別の結論に使ったのは、解答が100件以上集まった28分野だけです(解答3,655件=全体の34.7%)。100件を下回る分野は、正答率の信頼区間が20ポイント以上に広がってしまい、順位を主張できません。外した分野の扱いは、この記事の後半で必ず触れます。
この正答率は「学習途中の利用者が初見で解いた結果」です。仕上がった受験者が本番で出す正答率そのものではありません。分野の相対的な高低を見るための数字として読んでください。
科目別のベースライン(順位づけはしません)
科目の数字は、同じ科目の中で分野を比べるための基準線です。科目どうしの比較には使えません。
| 科目 | 解答n | 実測正答率 | 95%信頼区間 | 同(入れ子データ補正後) |
|---|---|---|---|---|
| 経済学・経済政策 | 1,013 | 50.1% | 47.1〜53.2% | 45.5〜54.8% |
| 財務・会計 | 1,652 | 60.4% | 58.0〜62.7% | 56.1〜64.5% |
| 企業経営理論 | 1,479 | 63.2% | 60.7〜65.6% | 58.9〜67.3% |
| 運営管理 | 2,144 | 56.9% | 54.7〜58.9% | 52.7〜60.9% |
| 経営法務 | 1,953 | 55.5% | 53.3〜57.7% | 51.3〜59.6% |
| 経営情報システム | 1,169 | 53.8% | 50.9〜56.6% | 49.2〜58.3% |
| 中小企業経営・政策 | 1,133 | 46.2% | 43.4〜49.2% | 41.7〜50.8% |
この表を「科目の難易度ランキング」として読まないでください。科目ごとに解いている人の顔ぶれが違います(受験する科目が違う、学習の進み方が違う、会員区分によって見られる年度が違う)。科目差と集団差が完全に重なっているため、今回は科目間の検定を行っていません。信頼区間も複数の科目で重なっており、たとえば中小企業経営・政策(43.4〜49.2%)と経済学・経済政策(47.1〜53.2%)は区間が重なるので、どちらが低いかを言い切れる状態ではありません。
直前5日の優先分野(確度でグループ分け)
点推定を一列に並べた順位は、このデータの解像度を超えています。そこで「上位10に入る確率」でグループに分けました。
各分野の出題量と正答率には、それぞれ誤差があります。両方の誤差を事後分布から4万回サンプリングし、「その分野が期待失点の上位10に入る確率」を出しました。グループを分けるしきい値(0.8以上/0.5以上/0.2以上)は、結果を見る前に固定しています。
重要な前提:ここでの確率は、解答100件以上が集まった28分野の中での順位です。全175分野を対象にした確率ではありません。窓の広げ方で結果が動くことは、このあとの「データから外した分野」で説明します。
縦線=最優先グループのしきい値 0.80
最優先グループ(28分野の中では、ほぼ確実に上位)
| 分野 | 科目 | 解答n | 実測正答率(95%CI) | 年あたり出題数 | 期待失点 点/年(95%区間) |
|---|---|---|---|---|---|
| 業種別規模・労働生産性・雇用 | 中小企業経営・政策 | 106 | 32.1%(24.0〜41.5%) | 3.05問 | 4.93(3.29〜7.11) |
| 債権総論・保証・時効・解除・契約 | 経営法務 | 147 | 42.2%(34.5〜50.3%) | 2.13問 | 4.93(3.05〜7.57) |
| 株式の発行・種類・株主権 | 経営法務 | 287 | 58.5%(52.8〜64.1%) | 2.77問 | 4.59(3.01〜6.73) |
| インターネットサービス・クラウド・応用 | 経営情報システム | 127 | 52.0%(43.3〜60.5%) | 2.25問 | 4.33(2.68〜6.70) |
この4分野は3科目にまたがっています。3科目とも受験する人の場合、今の実力のままだと4分野の合計で700点中およそ19点を落とす計算です(点推定の単純合計で、合計値の信頼区間までは計算していません)。もちろん5日で全部を取り切れるわけではありませんが、投下先としての大きさは分かります。
注目したいのは「株式の発行・種類・株主権」です。正答率58.5%は28分野の中では高いほうで、正答率だけで並べると優先度は下がります。それでも上位に来るのは、年2.77問という出題量があるからだと考えられます。
有力グループ(上位に入る確率0.50以上)
| 分野 | 科目 | 解答n | 実測正答率(95%CI) | 年あたり出題数 | 期待失点 点/年(95%区間) |
|---|---|---|---|---|---|
| 労働市場 | 経済学・経済政策 | 100 | 46.0%(36.6〜55.7%) | 1.87問 | 4.04(2.41〜6.41) |
| 簿記・仕訳・帳簿組織 | 財務・会計 | 171 | 56.7%(49.2〜63.9%) | 2.29問 | 3.96(2.47〜6.06) |
| ネットワーク基礎・プロトコル・LAN構成 | 経営情報システム | 108 | 52.8%(43.4〜61.9%) | 2.10問 | 3.97(2.42〜6.23) |
| 契約法(各種契約・消費者保護・国際取引) | 経営法務 | 142 | 54.2%(46.0〜62.2%) | 2.07問 | 3.79(2.30〜5.94) |
| 費用関数・費用曲線 | 経済学・経済政策 | 136 | 50.0%(41.7〜58.3%) | 1.87問 | 3.74(2.22〜5.94) |
| 会計規則・会計基準 | 財務・会計 | 135 | 54.1%(45.7〜62.3%) | 2.02問 | 3.70(2.23〜5.85) |
| ポートフォリオ理論・分散投資・効率的フロンティア | 財務・会計 | 134 | 53.7%(45.3〜62.0%) | 1.93問 | 3.58(2.15〜5.66) |
| 取締役・株主総会・機関設計の選択 | 経営法務 | 151 | 50.3%(42.4〜58.2%) | 1.79問 | 3.56(2.11〜5.69) |
当落線上グループ(上位に入る確率0.20以上)
| 分野 | 科目 | 解答n | 実測正答率(95%CI) | 年あたり出題数 | 期待失点 点/年(95%区間) |
|---|---|---|---|---|---|
| 商標法(登録・出願・権利) | 経営法務 | 146 | 56.2%(48.1〜64.0%) | 1.80問 | 3.16(1.87〜5.09) |
| 組織再編・倒産 | 経営法務 | 108 | 47.2%(38.1〜56.6%) | 1.40問 | 2.96(1.64〜5.01) |
| キャッシュフロー計算書 | 財務・会計 | 157 | 64.3%(56.6〜71.4%) | 2.06問 | 2.93(1.76〜4.68) |
残る13分野は「今回のデータでは上位と言えない」グループです。多くは運営管理の店舗販売管理系や、すでに正答率7割前後を確保できている分野(在庫管理・発注方式70.7%、特許・実用新案の基本70.5%など)でした。新しく深掘りするより、取りこぼさない維持に回すのが現実的だと考えられます。
受験科目が決まっている人へ
科目をまたぐ比較には、どうしても「誰が解いているか」の違いが乗ります。そこで、同じ科目の中だけで比べた結果も出しました。カッコ内は「その科目の中で最優先になる確率」です。
- 経営法務:債権総論・保証・時効・解除・契約(0.48)、次いで株式の発行・種類・株主権(0.30)。
- 財務・会計:簿記・仕訳・帳簿組織(0.41)、次いで会計規則・会計基準(0.29)。
- 経営情報システム:インターネットサービス・クラウド・応用(0.60)、次いでネットワーク基礎・プロトコル・LAN構成(0.40)。
- 経済学・経済政策:労働市場(0.58)、次いで費用関数・費用曲線(0.42)。
- 運営管理:物流センター・倉庫管理(0.39)、次いで生産計画・在庫管理(0.33)。
- 企業経営理論:マーケティング概念・戦略・リサーチ(0.90)。
- 中小企業経営・政策:業種別規模・労働生産性・雇用(比較相手がいないため確率は出せません)。
中小企業経営・政策は、解答100件以上の分野がこの1つしかありません。確率の計算上は1.00になりますが、それは比較相手がいないだけで「科目内で最も落としている」という意味ではありません。
正答率だけで選ぶと、何を取り違えるか
正答率だけの並びと、出題量を掛けた並びでは、上位10のうち6つしか重なりません。
出題量を掛けて初めて上位に入る分野(正答率だけ見ていると見落とす)
| 分野 | 科目 | 実測正答率 | 年あたり出題数 | 期待失点 点/年 |
|---|---|---|---|---|
| 株式の発行・種類・株主権 | 経営法務 | 58.5% | 2.77問 | 4.59 |
| 簿記・仕訳・帳簿組織 | 財務・会計 | 56.7% | 2.29問 | 3.96 |
| 契約法(各種契約・消費者保護・国際取引) | 経営法務 | 54.2% | 2.07問 | 3.79 |
| 会計規則・会計基準 | 財務・会計 | 54.1% | 2.02問 | 3.70 |
正答率では上位だが、出題量を掛けると落ちる分野
| 分野 | 科目 | 実測正答率 | 年あたり出題数 | 期待失点 点/年 |
|---|---|---|---|---|
| 会社設立・定款・事業体の選択 | 経営法務 | 46.4% | 0.79問 | 1.69 |
| 組織再編・倒産 | 経営法務 | 47.2% | 1.40問 | 2.96 |
| 取締役・株主総会・機関設計の選択 | 経営法務 | 50.3% | 1.79問 | 3.56 |
| 生産計画・在庫管理 | 運営管理 | 52.5% | 2.08問 | 2.25 |
いちばん動くのは「会社設立・定款・事業体の選択」です。正答率46.4%は28分野の中でも低いほうですが、近年の出題は年0.79問——5年で4問ほどのペースです。ここに直前5日を使うのは、割に合わないと考えられます。
なお「苦手度」と「期待失点」は、後者が前者から計算されている関係(期待失点=出題量×苦手度÷問題数)なので、両者の相関係数を検定にかけても意味がありません。ここでは相関係数を出さず、上位10の重なりと、実際に入れ替わる分野の名前だけを示しています。
「頻出Aから潰す」でも、もう絞り込めない
| 頻出度 | 分野数 | 解答n | 実測正答率 | 95%信頼区間 |
|---|---|---|---|---|
| A(高頻出) | 108 | 8,169 | 55.7% | 54.7〜56.8% |
| B | 54 | 2,113 | 57.0% | 54.9〜59.1% |
| C(低頻出) | 13 | 261 | 53.6% | 47.6〜59.6% |
独立性の検定は χ²=1.63(自由度2・p=0.443)。同じ人の解答が大量に含まれる入れ子構造を補正すると χ²=0.11(p=0.948)まで下がります。3つのペア比較にHolm補正をかけても、補正後のp値はすべて0.912でした。
ここで「A・B・Cに差はない」と書くのは誤りです。この設計で検出できる最小の差は、AとBで3.4ポイント(補正後7.8ポイント)、AとCで8.5ポイント(同10.8ポイント)。観測された差(1.2〜3.3ポイント)はすべてこの検出限界より小さく、差の有無を判定できていない領域にあります。正しい読み方は「この幅より小さい差は、あっても今回のデータでは分からない」です。
実務的にもっと効くのは別の事実です。結論に使った28分野の内訳は、頻出Aが27・Bが1・Cが0。ほぼ全部がAです。直前5日で「頻出Aを潰す」と決めても、それは主要分野のほぼ全部を指しているのと同じで、絞り込みになりません。だからこそ出題量を掛けた期待失点が必要になります。
データから外した分野にこそ、危ないものがある
解答100件に届かず結論から外した分野の中に、点推定では最上位を超えるものが2つあります。外した理由は「易しいから」ではありません。
nが小さいという理由で結論から外した分野のうち、点推定で上位に来るのは次の4つです。
| 分野 | 科目 | 解答n | 実測正答率(95%CI) | 年あたり出題数 | 期待失点 点/年 |
|---|---|---|---|---|---|
| 45度線分析・乗数理論 | 経済学・経済政策 | 66 | 36.4%(25.8〜48.4%) | 2.03問 | 5.17 |
| 均衡GDP・物価変動 | 経済学・経済政策 | 72 | 34.7%(24.8〜46.2%) | 1.90問 | 4.95 |
| 統計解析・データ分析手法 | 経営情報システム | 66 | 36.4%(25.8〜48.4%) | 1.70問 | 4.34 |
| ソフトウェア・OS・ミドルウェア | 経営情報システム | 79 | 50.6%(39.8〜61.4%) | 1.94問 | 3.83 |
上の2つは、点推定では最優先グループの最上位(4.93点/年)すら上回ります。それでも結論の表に入れなかったのは、正答率の信頼区間が21〜23ポイント幅もあり、順位を主張できないからです。
外した理由は「易しいから」ではなく「当サイトでの演習件数がしきい値に届いていないから」です。ここを読み飛ばして結論だけ見ると「経済学・経済政策と経営情報システムは上位にほとんど出てこない=比較的安全」と誤読されます。逆です。とくに経済学のマクロ(45度線分析・乗数理論/均衡GDP・物価変動)は、点推定では全分野でも最上位級です。
さらに、この4分野は「わからない」ボタンが押された割合も高めでした(統計解析・データ分析手法は初回の18.6%)。あとで説明するとおり、その分だけ実測正答率は甘めに出ています。本番相当に補正すると期待失点はさらに上がる方向(45度線分析5.17→5.27、統計解析4.34→4.52)で、危険度は下がりません。
グループ分けの窓についても、正直に書いておきます。この記事の確率は「解答100件以上の28分野の中での順位」です。窓を30件以上(140分野)に広げて同じ計算をすると、最優先グループの4分野のうち3つは有力グループ相当に下がり(債権総論0.95→0.78、株式0.90→0.69、インターネットサービス0.82→0.58)、有力グループの8分野はさらに下のグループに移ります。代わりに上に入ってくるのが、いま挙げた45度線分析(0.81)・均衡GDP(0.76)・統計解析(0.57)です。最優先グループは「全分野の中で最優先」ではなく「よく演習されている28分野の中で最優先」と読んでください。
この数字の限界(読む前に知っておいてほしいこと)
ここから先は数字の作り方を厳密に知りたい方向けです。結論は上までで完結しています。
- (1)このサイトの利用者の値です。本番の受験者集団とは違いますし、時期も違います(学習途中の初見)。分野の相対的な高低を見る目的に限って使ってください。
- (2)入れ子データです。登録ユーザーは37名で、1人あたり平均284.9件を解いています。同じ人の解答が大量に入っているため、全員が独立に解いたと仮定した信頼区間は狭すぎます。そこでデザイン効果(DEFF=1+(平均クラスタサイズ−1)×級内相関)で実効的な標本サイズに割り引きました。この割引は全体をまとめた数字ほど強く効きます(全体では実効nが約1/15、科目単位では1/2.5〜1/3.9)。一方、分野単位では1人あたりの解答数が少ないため影響はごく小さく、グループ分けは28分野すべてで変わりませんでした。級内相関は0.05という仮定値ですが、0.30まで厳しくしても(全体の信頼区間は47.1〜64.4%まで広がるものの)分野のグループは1つも動きません。
- (3)「わからない」を除いた分だけ、正答率は甘めに出ています。当サイトには「わからない」ボタンがありますが、本番にはありません。必ず何かをマークします。初回に「わからない」を押した割合は科目で差があり、企業経営理論0.7%に対して経営情報システム7.5%・財務・会計7.3%・経済学6.8%でした。当てずっぽう(5択相当で22%)でマークしたと仮定して本番相当に戻すと、実測正答率は企業経営理論が−0.3ポイントなのに対し、財務・会計は−2.8ポイント、経営情報システムは−2.4ポイント動きます。ずれの向きは常に「期待失点を小さく見せる」側です。加えて、集計の作り方の都合で「わからない→後で解き直して正解」が初回として数えられる場合があります(2回目以降の正答率は72.5%・n=21,851で、1回目の56.0%・n=10,316より高いため、これも正答率を上げる向きに働きます)。
- (4)閲覧できる年度が人によって違います。未ログインだと直近3年、無料登録で5年、有料で全年度です。出題量は19年分から推定しているのに、正答率は実際に解かれた年度に偏ります。両者が同じ母集団を指す前提が崩れうる点は、今回のデータでは検証できていません(素データに年度を持たせていないため。次回の抽出で対応予定です)。また、未ログインでの解答は記録に残らないため集計に入っていません。
- (5)配点の仮定。期待失点の点換算は、科目内で各問の配点が等しいという仮定に立っています。実際の本試験は設問ごとに配点が異なります。7科目とも100点満点・合計700点なので、科目をまたいだ比較・加算そのものは問題ありません。
- (6)その他の手法メモ。比率の区間はすべてWilsonの95%信頼区間(正規近似は不使用)。出題量は近年を重く見た加重ポアソン推定(半減期8年)で、区間は保守側にやや広く取っています。分野ごとの出題量の95%区間は上限が下限の2〜4倍(比2.05〜4.12・中央値2.40)で、グループ分けのゆらぎを主に決めているのは正答率の誤差ではなくこちらです。乱数は種を固定し、グループのしきい値は結果を見る前に決めました。再試験の問題は本分析から除いています。
(3)の補正を結論に使った28分野にかけ直しても、上位10の顔ぶれは10分野すべて変わらず、順位の移動も最大2つ分でした。このデータの範囲では、記事の結論はこの補正では倒れないと考えられます。影響が大きいのは、むしろ結論から外した分野のほうです。
残り5日、どう使うか
データが言えるのはここまでです。ここから先は、使い方の提案になります。
- 1まず最優先グループの4分野(業種別規模・労働生産性・雇用/債権総論・保証・時効・解除・契約/株式の発行・種類・株主権/インターネットサービス・クラウド・応用)。受験する科目に含まれるものだけで構いません。新しい教材を開かず、過去問を解いて誤答肢の理由を言葉にするところまでやります。
- 2次に有力グループのうち、自分の受験科目のもの。全部やろうとせず、科目ごとに1つに絞るなら「その科目の中で最優先になる確率」が高い分野を見てください。
- 3経済学のマクロと情報の技術系を飛ばさない。45度線分析・乗数理論、均衡GDP・物価変動、統計解析・データ分析手法は、データ不足で結論表から外れているだけで、点推定では最上位級です。
- 4すでに7割取れている分野は深掘りしない。在庫管理・発注方式、特許・実用新案の基本、輸送・配送管理あたりは、1日1セットの維持で十分です。直前期に伸ばすより、落とさないことに価値があります。
- 5最終日は新規論点に手を出さない。間違えた問題の見直しと、時間配分の確認に充てます。
この優先順位は「どの分野が何問出るか」を当てるものではありません。過去19年分の出題実績から推定した見込みであり、外れることがあります。実際の出題は年によって動き、ここで下位に置いた分野から集中して出ることもありえます。最後は、自分の答案の手応えと相談して決めてください。
